2025年7月16日に配信されたSEKAI NO OWARIの新曲『図鑑』は、アニメ映画『アリス・イン・ワンダーランド -Dive in Wonderland-』の主題歌として、その独特な世界観と深い意味をもたらしました。この曲は、私たちが日常的に見過ごしがちな自分たちの在り方を、詩的な表現で描き出しています。
歌詞
水を知らない 魚のように
今あるものには 鈍感な僕ら
ありのままじゃ いられなかった
自分だけ違う図鑑の生き物みたいに
枯れていって 膝をついた
それでも日々を続ける 僕らまるで
茹だる夏に生きるシロクマ
闇に咲く花
呼吸する為の空気が目減りする中で
居場所を探している そんな生き物なんだ
図鑑にはいない僕と君は
銀世界駆けるライオン
水中のサボテン
呼吸する為の空気が少ないんだったら
あざみの綿毛のように 飛んでゆけ どこまでも
根を張る場所を探し求めて
光を知らない 花のように
手にしたものには 傲慢な僕ら
ありのままで 貴方は十分だわ
そんな欺瞞がこの街を美しく飾ったけど
飢えていって 渇いていった
それでも夜明けを待つ 僕らまるで
雷鳴の空飛ぶコウモリ
炎天下のペンギン
呼吸する為の空気が目減りする中で
居場所を探している そんな生き物同士
出会ったのかな 僕と君は
電線にとまったペリカン
大都会の蛍
この街で暮らす僕らの呼吸をする音
確かに存在してる ここにいるって叫んでる
図鑑にはいない僕と君は
茹だる夏に生きるシロクマ
闇に咲く花
呼吸する為の空気が目減りする中で
居場所を探している そんな生き物なんだ
図鑑のページに 風が吹いていく
あざみの綿毛のように 飛んでゆけ どこまでも
根を張る場所を探し求めて
歌詞に宿るメッセージ
「水を知らない魚のように」や「光を知らない花のように」というフレーズは、私たちが無意識のうちに自身の環境や状況を認識せずに生きていることを指摘しています。まるで魚が水の存在に気づかず生きるかのように、私たちは今あるものに鈍感で、その大切さに気づかないことがよくあります。そして、「ありのままじゃいられなかった」という歌詞は、現代社会で私たちが自分自身を隠し、他人の期待に合わせることを余儀なくされている現実を表しています。
「自分だけ違う図鑑の生き物みたいに」という表現は、私たち一人一人がユニークで、誰とも違う存在であるにもかかわらず、社会の基準や常識に合わせることを求められる矛盾を浮き彫りにしています。図鑑に載っている生物は、それぞれが分類され、特徴が明確にされていますが、私たちはそんなに簡単に分類できるような存在ではなく、もっと複雑で多様な存在なのです。
現代社会における私たちの姿
「茹だる夏に生きるシロクマ」や「炎天下のペンギン」など、環境に不適応な生物を歌詞に登場させることで、現代社会で私たちは本来の自分たちの場所を失い、不適応な状況の中で生きていることを象徴しています。私たちは、社会の変化や環境の変化に追いつかず、息をする空気さえも少しずつ減っていく中で、自分の居場所を探し求めています。
「呼吸するための空気が目減りする中で、居場所を探しているそんな生き物なんだ」という歌詞は、まさに現代社会で生きる私たちの姿そのものです。私たちは、忙しい日常生活の中で、自分自身を見失いがちで、心の奥底で「本当の自分はどこにいるのだろう」と考えることもあります。けれども、それでも日々を続ける私たちの姿は、諦めずに生きる強さの証です。
希望への願い
一方で、「あざみの綿毛のように飛んでゆけ、どこまでも。根を張る場所を探し求めて」というフレーズには、希望への願いが込められています。あざみの綿毛は、風に乗って遠くまで飛んでいき、新しい場所で根を張り、成長することができる。私たちも、今の状況に満足せず、新しい可能性を求め、自分の居場所を見つけに出 hanging っていくことが大切です。
「図鑑にはいない僕と君は」という繰り返されるフレーズは、私たちがユニークで特別な存在であり、自分たちの道を切り拓いていくことが求められていることを強調しています。この曲は、私たちに「自分自身を大切にし、自分の在り方を認め、新しい世界を探求しよう」というメッセージを送っています。
結びに
SEKAI NO OWARIの『図鑑』は、私たちの在り方を深く見つめさせ、現代社会で生きる私たちの複雑な心境を表現しています。この曲を聴くことで、私たちは自分の内側を見つめ直し、自分自身を受け入れ、新しい未来を探求する勇気をもらうことができます。この曲は、私たち一人一人が図鑑に載らないような、ユニークで素晴らしい存在であることを教えてくれる、素晴らしい作品です。
