マカロニえんぴつが手がけた新曲「化け物」は、映画「火喰鳥を、喰う」の主題歌として2025年10月3日に配信されました。この曲は、小林武史が作詞・作曲を手がけ、映画のテーマを深く掘り下げた作品です。曲中には、人間の心の奥底に潜む「化け物」を象徴するような言葉が織り込まれており、聴く者に強い印象を与えます。
歌詞
真に受けたり 生きてない素振りをしたり
懐かしい 貝がら集めて帰る子どものよう
抱えた化け物をみせて？なんかちょっと悲しいね
明かり消しても眠れない いつからだっけな
好かれていたい
ぼくはそのために生まれたの 生まれたの
抱えた化け物をみせて？なんかちょっと悲しいね
ねぇケダモノをみせて なんでちょっと痛いんだ
I kiss me I kiss me I kiss me I kill me ごめん
どこで壊れても どこが壊れても
だれに侵されても
じつは心は涙など流せないように出来ていて
tonight-tonight-tonight 沈んでいく
どこで壊れても どこが壊れても
やはり心は涙など流せないように出来ていて
tonight-tonight-tonight 終わっていく
浮かぶ月に天使を添えて
力の限り上にウイニング・ラン！
テレビジョン売っぱらおう
気付かずフィーリング一周、愛はもっとフリー
愛しき化け物たちよ ヒューズ飛んでサヨナラ
化け物を見てやって？醜いとこまで全部
ねぇケダモノをみせて なんでちょっと痛いんだ
なんでちょっと痛いんだ
なんかずっと痛むの、なんでなんだ
歌詞の意味
「真に受けたり 生きてない素振りをしたり 懐かしい 貝がら集めて帰る子どものよう」この歌詞は、表面的には真面目に振る舞っているが、実は心は空虚で生きている実感が湧かない様子を描いています。懐かしい貝がらを集める子どものように、過去の思い出をかき集めながら、孤独を感じている様子が伝わってきます。
「抱えた化け物をみせて？なんかちょっと悲しいね」というフレーズは、心に抱えている「化け物」を晒すことへの一抹の悲しみを表現しています。この「化け物」は、恐れや孤独、あるいは何らかの葛藤を象徴しているのかもしれません。その「化け物」を晒すことによって、自分の弱さを認めることが悲しいと感じているのでしょう。
「明かり消しても眠れない いつからだっけな 好かれていたい ぼくはそのために生まれたの 生まれたの」という歌詞は、寝付けない夜に自分の存在意義を考える様子を描いています。好かれるために生まれてきたと感じているのは、愛を求めることへの強い欲求が表れています。愛されることで自分を肯定し、心の安らぎを得たいと願っているのでしょう。
「ねぇケダモノをみせて なんでちょっと痛いんだ」というフレーズは、さらに深く自分の内側を見つめることで生じる痛みを表現しています。ケダモノ（獣）を晒すことによって、自分の野性や本能的な部分に直面する苦しさが伝わってきます。
曲の世界観
この曲は、激しいリズムと力強いメロディーで、心の奥底に潜む「化け物」を表現しています。ドラムの強烈なリズムとギターの激しい音色が、曲の緊張感を高めています。サビ部分では、繰り返される「化け物をみせて？」というフレーズが、聴く者の心に深く刻み込まれます。
歌詞全体を通して、人間の心の複雑さと深さが描かれています。心に抱える「化け物」を晒すことによる悲しみや痛み、そして愛を求めることへの切なる願いが、この曲のテーマとなっています。マカロニえんぴつは、この曲を通じて、聴く者の心に直接語りかけるかのように、心の奥底にある感情を引き出します。
結び
「化け物」は、マカロニえんぴつが映画「火喰鳥を、喰う」のテーマを深く理解し、音楽を通じて表現した素晴らしい作品です。この曲を聴くことで、自分の心の奥底に潜む「化け物」に向き合い、その痛みや悲しみを認めることもできるでしょう。そして、愛を求めることへの切なる願いを、この曲は私たちに思い出させます。
