歌曲紹介
2026年1月19日、音楽ゲーム『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat.初音ミク』に、ユニット「25時、ナイトコードで。」と仮想歌手MEIKOによる新曲「幸福刑」が登場した。
この楽曲は、同ユニットの楽曲を数多く手掛けるLonepiが作詞・作曲・編曲を担当。さらに、イラストレーターの火種、動画作家のRiesz、リリックデザインのHeetamiら、Lonepiの作品世界を形作るクリエイター陣が結集し、視覚的にも聴覚的にも濃密な作品を仕上げている。
ゲーム内では、宵崎奏、朝比奈まふゆ、東雲絵名、暁山瑞希という4人のキャラクターにMEIKOが加わり、独特の重層的なハーモニーを響かせる。この組み合わせは、「25時」の内省的な世界観に、MEIKOの持つ力強さと温かみを新たな角度から融合させたと言えるだろう。

歌詞
夢の中でいつも逃げてる 間抜けた走り方
メタでズルい手段で撒いて 安堵の息を吐く
足場がまたひとつ崩れた 他を考えなきゃ
枕元に置いてきた言葉を 組み直す
絡まったのがどの糸なのか
探していたら日が暮れて
暗がりの手元が指を切るだけ
ただ
哀れ 哀れ 変われません
あれよ あれよ 流され終点
回れ 回れ 自責の念
たとえ 迷えど 光の方へ
耳へ 指へ 伝う偽善
任せ 剥がせ 雪崩のように
探せ 探せ 目を醒まそうね
単純化する癖が染み付く前に
映画みたく全部滅ぶなら 何を想えばいい?
愛が何か誰も解らず なんとなく祈ってる
帰属意識の果てで二人 空しく撫で合う傷
その場凌ぎの満足感で 私腹を肥やした
絡まったのが どの糸であれ
千切ってしまえば楽になれる
捧げた心はどこへ 消えるんだろう
もう
離れ離れ 触れません
それは それじゃ あんまりだって
わたし、形ばかり見て
人の数だけ 美学があるのに
理解の種を ここに蒔いたの
かつて自ら 枯らした知を糧に
心臓も脳も 心じゃないなら
どうしてこんなに 痛むの?
止まれ 止まれ 笑えません
蝶も花も 最期は一瞬
重たい 冷たい 真夜中に
ひどく優しく 突きつける
もう
意義は、日々は、ひび割れて
共生 どうせ 明日も曇天
軈て その手 解けたら?
いつも 思慮はそこで止まる
ああ、
ほらね 未だ 変われません
足は いつも 地につく方へ
たとえ 何処で 迷えども
考えないと 君が正しく在るために
これは これは 誰のため?
なにが なにが 君のため?
歌詞意味
「幸福刑」というタイトル自体が示すように、この曲は「幸福」という概念そのものに対する問い直しから始まっている。「刑」という文字が暗示するように、幸福とは時に苦痛を伴うものであり、自己変革を迫られる「刑罰」のように感じられることもあるのではないか。
歌詞には「絡まったのがどの糸なのか 探していたら日が暮れて」という表現がある。これは、複雑に絡み合った心の糸(問題や悩み)を解きほぐそうとするも、時間だけが過ぎてしまう現代的な孤独と無力感を象徴している。
しかし、絶望だけではない。重要なのは、「たとえ 迷えど 光の方へ」という一節に表れているように、完全な答えを見出せずとも、方向性だけは確かに見据えようとする意志である。暗闇の中でも、変わることができず、流され続けていても、それでも「光の方へ」と意識を向けること──それ自体が、この曲で描かれる「幸福」への第一歩なのかもしれない。
まとめ
「幸福刑」は、Lonepiが「25時、ナイトコードで。」の世界観をさらに深化させた意欲作である。重苦しい内面の描写と、かすかな希望への希求を見事に両立させ、聴く者に「幸福とは何か」「自分の生きる意味はどこにあるのか」という問いを投げかけてくる。
MEIKOの参加は、彼女の持つ母性的で包容力のある歌声が、「25時」の繊細で時に脆いキャラクターたちの声を包み込み、支える効果を生み出している。これは単なるコラボレーションではなく、物語世界の拡張とも言える深みのある共演だ。
ゲーム内の物語と連動しながらも、それだけで完結しない普遍性を持ったこの楽曲は、自分自身と向き合う時間を求めるすべてのリスナーにとって、静かで深い共鳴を呼び起こす作品となるだろう。