楽曲紹介
「ニュー・アンティック」は、DOMOTO(堂本剛・堂本光一)の48枚目のシングル『またね』に収録された楽曲で、2026年5月5日にリリースされた。作詞は堂本剛、作曲は堂本光一という、二人の役割を逆転させた合作による一曲である。ファンキーなエレクトロ・ロックチューンとして仕上がっており、初回盤Bと通常盤に収録されている。「ニュー」と「アンティック」という相反する言葉を組み合わせることで、価値観や変化というテーマに深みと面白さを演出している。2026年7月に開催される東京ドーム・京セラドーム大阪でのドーム公演『DOMOTO Concert 2026 〜Stay with me〜』でも披露されることが期待されている。

歌詞
闘う今日を無駄だと言いたい
夜空も星達と
だくだくだく嘆く
傷つけられ傷やり返した
「それが生きる」って
飽き飽き飽きるべき
「闇を好むな輝こう」出来るさ
いまさら変われないよじゃない
変われんだよ 飛び立とう
お洒落なブレイン
お洒落なマインド
ちぐはぐな争いがアンティック
新しい世界 古くさい世界
無いものねだるはどう?
アンティック?
さぁ悩み呆れて眠ろう
僕らの愛がビルに紛れて
人々を伝い
しくしくしくと泣く
「真実なほど曲がってく」疲れた
いまさら変わらないよじゃない
変わろうとしないだけよ
お洒落なファッション
お洒落なミュージック
そこにも滲んでるよアンティック
新しい世界 古くさい世界
無いものねだるはどう?
アンティック?
さぁ悩み呆れて歌おう
僕らの声が 僕らの想いが
ちぐはぐな闘いをchanging
叶うはずさ 諦めないさ
終わらせよう 虹 架かる endingさ
愛とまだまだ踊ろう
歌詞意味解釈
【Aメロ】
「闘う今日を無駄だと言いたい」という冒頭から、日々の闘いや努力が無意味であると言いたくなるような疲労感や虚無感が伝わってくる。しかし、次の「夜空も星達と/だくだくだく嘆く」では、夜空や星々も同じように嘆いているという、孤独ではない共感が示唆されている。「だくだくだく」という擬態語は、力強く重たい嘆きのリズムを表現しており、単なる悲しみではなく、生きることの重みを伴った嘆きであることがわかる。
「傷つけられ傷やり返した/「それが生きる」って」では、傷つけられて傷を返すという、いわゆる「以牙還牙」のような生き方が描かれている。これが「生きる」ことだと誰かが言うが、歌い手は「飽き飽き飽きるべき」と、そんな生き方にはもう飽き飽きしたと反発している。ここでは、社会が強いる「生きる」という概念への疑問と、それを超えようとする意志が表現されている。
「「闇を好むな輝こう」出来るさ」は、闇に安住せず、輝こうとする決意の表明である。そして「いまさら変われないよじゃない/変われんだよ 飛び立とう」という一節が、曲の核心的なメッセージを突きつける。「今さら変われない」という諦めではなく、「変われるんだ」と肯定し、「飛び立とう」と行動を起こす姿勢が示されている。これは、年齢や状況を理由に変化を諦めるのではなく、いつからでも変われるという希望を歌っている。
【サビ】
「お洒落なブレイン/お洒落なマインド」というフレーズは、知的で洗練された頭脳や精神を指しているが、「ちぐはぐな争いがアンティック」と続くことで、そんな洗練されたはずの人々の間で起きる争いが、実は時代遅れで古臭い(アンティック)ものであると指摘している。「アンティック」は「antique(骨董品・古いもの)」を意味し、新しい(ニュー)と古い(アンティック)という相反する概念が曲名にも組み込まれているように、ここでは現代社会の矛盾が表現されている。
「新しい世界 古くさい世界/無いものねだるはどう?」では、新しい世界と古い世界が並存する中で、「無いものねだり」(欲しがること)がどうなのかと問いかけている。これは、現状に不満を持ちながらも、何かを求め続ける人間の姿勢そのものを問うている。「アンティック?」という問いは、自分たちの行いや考え方が、実は古くさいものなのではないかという自問自答でもある。
「さぁ悩み呆れて眠ろう」は、悩みに疲れ果てて眠るという、一見すると諦めのように見えるが、実は次の日を迎えるための休息でもある。ここでの「呆れて」は、単なる失望ではなく、悩み抜いた末の清々しさのようなニュアンスも含んでいる。
【Bメロ】
「僕らの愛がビルに紛れて/人々を伝い」では、都会のビルに紛れた二人の愛が、人々の間を伝っていくというイメージが描かれている。都会の冷たい建築物の中で、愛という温かい感情が流れていく対比が印象的である。「しくしくしくと泣く」は、静かに泣く様子を表す擬態語で、愛が人々の心に触れて、静かに涙を誘う様子を表現している。
「「真実なほど曲がってく」疲れた」は、真実であればあるほど、現実は曲がっていく(歪んでいく)という皮肉な観察である。理想と現実のギャップに疲れ果てた姿が描かれている。「いまさら変わらないよじゃない/変わろうとしないだけよ」では、再び変化のテーマが登場する。ここでは「変われない」ではなく「変わろうとしないだけ」と、変化への意志の欠如を自覚的に指摘している。これは他者への批判ではなく、自分自身への厳しい問いかけである。
「お洒落なファッション/お洒落なミュージック/そこにも滲んでるよアンティック」では、ファッションや音楽といった最先端の文化の中にも、古くさい考え方や価値観が滲んでいることを指摘している。新しいものの中に古いものが混在するという、現代社会の本質的な矛盾が鋭く描かれている。
【Cメロ】
「僕らの声が 僕らの想いが/ちぐはぐな闘いをchanging」では、二人の声と想いが、これまでちぐはぐだった闘いを変えていく(changing)という希望が歌われている。「ちぐはぐ」という言葉は、Aメロの「ちぐはぐな争いがアンティック」と呼応しており、不揃いだったものが一つにまとまっていく過程が表現されている。
「叶うはずさ 諦めないさ」は、諦めなければ願いは叶うという、シンプルだが力強い信念の表明である。「終わらせよう 虹 架かる endingさ」では、これまでの闘いや葛藤を終わらせ、虹が架かるような明るい結末(ending)を目指そうと呼びかけている。虹は、雨上がりの希望や約束の象徴であり、ここでは困難を乗り越えた先の美しい未来を表している。
「愛とまだまだ踊ろう」という最後のフレーズは、愛と共にまだまだ踊り続けようという、前向きでエネルギッシュな締めくくりである。「まだまだ」という言葉には、終わりではなく、これからも続く旅への期待が込められている。
まとめ
「ニュー・アンティック」は、DOMOTOの新たなスタートを象徴するファンキーなエレクトロ・ロックチューンである。作詞を手がけた堂本剛の鋭い社会批判と、作曲を担当した堂本光一のエネルギッシュなサウンドが融合した作品で、二人の役割を逆転させた合作という点も含め、DOMOTOの新しい可能性を感じさせる一曲と言える。
歌詞のテーマは、変化への意志と現状への反発である。「いまさら変われないよじゃない/変われんだよ 飛び立とう」という一節は、年齢や慣習を理由に変化を諦めるのではなく、いつからでも新しい自分になれるという希望を力強く歌っている。同時に、「お洒落なブレイン/お洒落なマインド/ちぐはぐな争いがアンティック」では、洗練されたはずの現代人の間で起きる争いが、実は時代遅れで古臭いものであると鋭く指摘している。
タイトルの「ニュー・アンティック」は、新しい(ニュー)と古い(アンティック)という相反する概念を組み合わせることで、現代社会が抱える矛盾を象徴している。新しいものの中に古いものが混在し、古いものの中に新しい可能性が潜むという、複雑で多層的な世界観がこの一曲に凝縮されている。愛と共に踊り続け、虹が架かる結末を目指すという前向きなメッセージは、DOMOTOのファンにとどまらず、多くの人の心に響く普遍的なものであるだろう。