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J-POP、アニメ、VTuber楽曲を中心に、詩的な世界観を丁寧に紐解きます。

きゅるりんってしてみて「ムムム…Doなる!?ドリル! (feat. ミームトーキョー)」歌詞意味解釈

楽曲紹介

2026年5月5日に配信リリースされた「きゅるりんってしてみて」の最新デジタルシングル。今作は、同じくアイドルシーンで注目を集める「ミームトーキョー」をフィーチャーしたコラボレーション楽曲となっている。タイトルの「ムムム…Doなる!?」は、悩んでいる様子を表現した擬音語であり、曲全体を通じて「自分らしさを貫く」というテーマが描かれている。きゅるしてらしいポップでキャッチーなメロディに、少しダークでエッジの効いたミームトーキョーの雰囲気が加わることで、これまでとは一味違う化学反応が生まれている。

歌詞

ムムムムムムムム…どうなる?
はぁ、何回やってもきまらない…
って遅刻しそうな朝(もう一回)
何年たっても縮まらない
好きなあなたとわたしの距離
(わっ!)あなたをびっくりさせたかったのに
ぜんぜんこっちみてないし… (そんなぁ)
充電忘れ 0パーです ツーショもとれない
あれもだめ
これもちがう
まだ足りない
穴だらけで ムムム
あー
わからないわからないわからない!
永久になやむ
あなたならどうする とかも一応考えるけれど
ムムムムムムムム
どうしたらいいのー!!!
貫いてけ 貫いてけ
絶対に曲げない自分 貫いてけ
貫いてけ 貫いてけ
一本筋通してけ ドリルみたいに
Penetrate Pe Penetrate
最優先事項 わたしはどうしたい?
Penetrate Pe Penetrate
うじうじしてても 物語はじまらない
ぜんぶ完成してないから楽しいんです わたし
ぐるぐるしててもかわいいんです
やっと そうやって思えそうなんです
だから最後あなたの「すき」でうちぬいて
(すき?)
終電間に合わないー!
って嘘ついちゃった夜(あきらめよ?)
あなたが本気で走るから
余裕もって乗れちゃった夜
(あっ!)今日のために買った新作リップ
どっかに落としました… (最悪~)
お家ついたら寝るまで電話?! ねむれない
貫いてけ 貫いてけ
絶対に折れない美学 貫いてけ
貫いてけ 貫いてけ
KEEP ON! ずっと押していけ ドリルみたいに
Penetrate Pe Penetrate
最優先事項 策より感情じゃない?
Penetrate Pe Penetrate
ねりねりするより 思い切りぶつける 愛
ずっと危なっかしいからみちゃうんです?
わたし夢中になるほどかわいいです?
もっと そうやってみててほしいんです
あのねたまにツンツンしても似合うでしょ
どうにかなる日はいつですかー?
今すぐドリルで解決
どうにかなるじゃなくてする!
困った顔もすきですかー?
今すぐドリルでにこにこ
どんな表情も最高!
あなたが守ってくれますかー?
今すぐドリルで 全破壊
むしろあなたを守りたい!
そんなのって…あり?
ぜんぶ完成してないから楽しいんです
わたしぐるぐるしててもかわいいんです
やっと そうやって思えそうなんです
だから最後あなたの「すき」でうちぬいて
ぜんぶ
完成してないから楽しいんです
わたしぐるぐるしててもかわいいんです
やっと そうやって思えそうなんです
だから最後あなたの「すき」でうちぬいて
(すき?)

歌詞意味解釈

【Aメロ】未完成な朝と、届かない距離感

冒頭の「何回やってもきまらない…って遅刻しそうな朝」から、恋する少女の日常がリアルに描き出される。髪型も決まらない、朝の支度もままならない——そんなありふれた朝の風景に、「何年たっても縮まらない 好きなあなたとわたしの距離」という切ない心情が重なる。あなたを驚かせたくて計画したのに「ぜんぜんこっちみてないし」という、一方通行な想いの苦しさが滲んでいる。また「充電忘れ 0パーです ツーショもとれない」という現代的な表現は、スマホ世代ならではの恋愛の焦燥感を表現しており、デジタルネイティブなアイドル楽曲らしい工夫が光る。

【Bメロ】「わからない!」からの覚醒

「わからないわからないわからない!永久になやむ」という繰り返しは、恋の迷路に迷い込んだ少女の頭の中をそのまま音にしたような表現だ。しかしそこから「あなたならどうする とかも一応考えるけれど」と、つい相手の目線で物事を考えてしまう自分に気づく。そして「どうしたらいいのー!!!」という絶叫から、曲は大きく転換する。ここまでの悩みが、後の「貫いてけ」という力強いフックへの布石となっている。

【サビ】ドリルという比喩と、自己貫徹の美学

サビの「貫いてけ 貫いてけ / 絶対に曲げない自分 貫いてけ」は、曲の核となるメッセージだ。「ドリルみたいに」という比喩が象徴的で、ドリルは一本の筋を真っ直ぐに、しかし力強く掘り進める道具である。恋愛においても、自分の芯を曲げずに相手の心へと一直線に突き進む——そんな強い意志が込められている。「Penetrate(貫く)」という英語の繰り返しは、国際的な響きと同時に、何重もの壁を突破していくイメージを醸し出す。

「最優先事項 わたしはどうしたい?」という問いかけも重要だ。恋に悩む少女が、つい相手の気持ちばかりを考えがちになる中で、自分の欲求を最優先に据える転換点である。「うじうじしてても 物語はじまらない」という一節は、行動しないことには何も始まらないという、やや厳しくも愛のあるメッセージだ。

【Cメロ】「完成してないから楽しい」という肯定

「ぜんぶ完成してないから楽しいんです わたし」は、現代の完璧主義に疲れた若者にとって胸を打つフレーズだ。SNSで加工された「完成形」の人生ばかりが映し出される中で、「未完成」であることを肯定的に受け入れる姿勢は、きゅるしての持ち味でもある。「ぐるぐるしててもかわいいんです」——迷って、転んで、それでも前に進もうとする姿こそが愛おしいという、自己受容の表現だ。そして「やっと そうやって思えそうなんです」と、自分を認めることのできた瞬間の安堵感が伝わってくる。

「だから最後あなたの「すき」でうちぬいて」——ここでの「すき」は、相手からの愛情であり、同時に自分自身への肯定の印でもある。ドリルで貫く先には、相手の心だけでなく、自分の中の不安も貫きたいという二重の意味が込められている。

【2番Aメロ】嘘から始まる夜と、予定外の展開

2番の「終電間に合わないー!って嘘ついちゃった夜」は、恋愛における少しズルい駆け引きを描いたシーンだ。本当は終電に間に合うのに、あえて「間に合わない」と嘘をついて一緒にいる時間を作ろうとする——そんな少女の小心者な戦略が愛らしい。しかし「あなたが本気で走るから 余裕もって乗れちゃった夜」と、相手の真剣さに逆に計画が狂い、予定外の展開になってしまう。ここでは、恋愛における「計算」と「予定外」のギャップがコミカルに描かれている。

「今日のために買った新作リップ どっかに落としました」も、恋の準備をしてきたのに肝心な時にミスをしてしまう——そんな誰にでもある失敗が共感を呼ぶ。そして「お家ついたら寝るまで電話?! ねむれない」という、帰宅後も興奮冷めやらぬ夜の描写が、恋の余韻をリアルに表現している。

【2番サビ】「策より感情」という恋愛観

2番サビで「最優先事項 策より感情じゃない?」と問い直される。1番の「わたしはどうしたい?」から一歩進み、恋愛において頭で考えるよりも、心のままに動くことの大切さを説いている。「ねりねりするより 思い切りぶつける 愛」——計算や準備を重ねるよりも、ありのままの感情でぶつかる愛の方が真実だという主張だ。

「ずっと危なっかしいからみちゃうんです? / わたし夢中になるほどかわいいです?」という問いかけは、相手に自分のことを見てほしいという、少しわがままで素直な願いが込められている。そして「あのねたまにツンツンしても似合うでしょ」と、デレだけでなくツンも含めて自分の魅力だと主張する姿勢が、現代のアイドル楽曲らしい多面性を見せている。

【ブリッジ】「どうにかなる」から「する」へ

ブリッジ部分の「どうにかなる日はいつですかー? / 今すぐドリルで解決 / どうにかなるじゃなくてする!」は、曲のクライマックスを担う重要なフレーズだ。待っていても何も変わらない——「どうにかなる」と期待するのではなく、自分から「する」という主体性の転換だ。「困った顔もすきですかー? / 今すぐドリルでにこにこ / どんな表情も最高!」と、自分の全てを受け入れてほしいという願いと、同時に自分の全てを肯定する強さが共存している。

「あなたが守ってくれますかー? / 今すぐドリルで 全破壊 / むしろあなたを守りたい!」という展開は、守られる側から守る側への逆転だ。最終的には、あなたの「すき」に守られたいと願いながらも、自分もあなたを守りたいという、対等な愛を志向している。そして「そんなのって…あり?」という、夢のような展開に対する驚きと喜びが、ラストを飾る。

【アウトロ】未完成の肯定と、愛の貫徹

ラストの繰り返しで、「ぜんぶ完成してないから楽しいんです / わたしぐるぐるしててもかわいいんです / やっと そうやって思えそうなんです / だから最後あなたの「すき」でうちぬいて」が何度も歌われる。これは、曲の冒頭の悩みからサビの決意、ブリッジの行動へと繋がった物語の結論だ。自分を受け入れ、自分を貫き、そしてその先に相手の愛がある——そんなストーリーが完結する。

まとめ

「ムムム…Doなる!?ドリル! (feat. ミームトーキョー)」は、恋に悩む少女が「未完成な自分」を肯定し、「自分の芯を曲げずに愛を貫く」までの成長を描いた一曲だ。タイトルの「ムムム」は悩みの擬音だが、最終的にはその悩みを力に変えて「ドリル」で突き進む——そんな物語の変容が楽曲の魅力となっている。

きゅるりんってしてみての持つ「かわいい」という武器と、ミームトーキョーがもたらすエッジの効いた世界観が融合することで、単なる恋愛ソングに留まらない、現代のアイドルシーンにおける新しい「強さ」の表現が生まれている。SNS時代の不完全さへのコンプレックス、相手の気持ちを気にしすぎて自分を見失いがちな恋愛——そんな現代的な悩みに対して、「未完成でいい」「自分を貫け」という肯定的なメッセージを投げかけている点が、多くのリスナーの心に響く理由だろう。

特に「ぜんぶ完成してないから楽しいんです」というフレーズは、完璧を求めすぎる現代社会において、自分自身を許すための言葉として重みを持つ。恋愛においても、自分の全てを出し切ってぶつかることの美しさ——そんな「ドリル」のような一途な愛を、きゅるりんってしてみてとミームトーキョーのコラボレーションが鮮やかに表現している。