楽曲紹介
「iCONiC」は、ホロライブDEV_IS所属のVTuberグループ「ReGLOSS」の音乃瀬奏と一条莉々華によるデュオ楽曲である。2026年8月27日から28日にかけて行われた「ハニワの日24時間生放送2026」の中でMVが公開され、ファンの間で大きな話題を呼んだ。
作詞・作曲を担当したOHTORAは、ササクレクト所属のシンガーソングライター/トラックメイカー。R&B、City Pop、Funk、Alternativeな音楽を独自のアプローチでJ-POPに落とし込み、2020年の「ツレナイズム」でSpotify台湾バイラルチャート1位を記録するなど、日本だけにとどまらずアジアを中心にリスナーを拡大させている。yama、MAISONdes、SUPER★DRAGON、LDH所属アーティストなどへの楽曲提供に加え、VTuber界隈でもReGLOSSやジョー・力一への楽曲提供を手掛ける、今勢いのあるクリエイターだ。共同作曲のNew Kもササクレクト所属のトラックメイカーで、OHTORAとのコンビで数多くの楽曲を生み出している。
音乃瀬奏は韓国で育ち、ホロライブへの挑戦のために単身で日本に移り住んだ20歳の「音楽家の卵」。大学休学中で、歌が得意なことから「ReGLOSSの歌柱」と評される。一方、一条莉々華は「新進気鋭の女社長」という設定で、人とのコミュニケーションを得意とし、自ら海外企業との折衝もこなすビジネス感覚あふれるキャラクター。成功の秘訣は「よく寝ること」という、親しみやすさとカリスマ性を併せ持つメンバーだ。二人の対照的な個性が融合したデュオ楽曲という点でも、本作は特筆に値する。

歌詞
作詞:OHTORA
作曲:OHTORA / New K
ドンヨリ沈んだ天気
今日の運勢は Last place
袖に染みついた Coffee 窓の外 雨が Floating
ツいてない日だって
Guess that happens a lot
どんなハプニングも Turn into magic
ワタシたち一緒なら そこは Cinematic
気分でスニーカー
泥だらけでもヒロインさ
降り頻るシャワー Jewelry
三文芝居なんて、そりゃ演技でもないね
目に見える景色は変えられる
You already know
Shining!! 主役はいつだってキミだよ
Dancing!! 華麗に舞い踊って魅せましょう
カットはできない (Hey!!)
人生はロードムービー (Hey!!)
無敵の iCONiC
(Let it glow Let it glow Let it glow Let it glow)
Charming!! とびきりキュートな魔法で
Stunning!! ココロだって奪っちゃえばいいの
瞬き厳禁 (Hey!!)
晴れゆく名シーン (Hey!!)
すべてハイライトさ iCONiC
軒並み超えてく限界値
(Beauty Beauty Beauty)
ほらみて ガーリーパワー全開
(Cutie Cutie Cutie)
脚色されたシナリオはいらないわ
予定にないアクシデントも着こなしたい
ファンタジー ドラマ ドキュメンタリー
ロマンス ラブコメ ミステリー
薔薇色アナログ世代
ごらん 普段も現実的
時間だって置き去っていくの
アドリブだらけで次のステップへ
三文芝居でも 伝わるものはあるよね?
もうメドレーは Never stop
You already know
Shining!! 主役はいつだってキミだよ
Dancing!! 華麗に舞い踊って魅せましょう
カットはできない (Hey!!)
人生はロードムービー (Hey!!)
無敵の iCONiC
(Let it glow Let it glow Let it glow Let it glow)
Charming!! とびきりキュートな魔法で
Stunning!! ココロだって奪っちゃえばいいの
瞬き厳禁 (Hey!!)
晴れゆく名シーン (Hey!!)
すべてハイライトさ iCONiC
毎日の巡り合わせ One take
No need to explain 不可逆的
Flash back いつかの Daybreak
宿命手繰り寄せて Magnetic
お揃いの気持ちなら大丈夫さ
Always keep smiling and move on
Shining!! 主役はいつだってキミだよ
Dancing!! 華麗に舞い踊って魅せましょう
カットはできない (Hey!!)
人生はロードムービー (Hey!!)
無敵の iCONiC
(Let it glow Let it glow Let it glow Let it glow)
Charming!! とびきりキュートな魔法で
Stunning!! ココロだって奪っちゃえばいいの
瞬き厳禁 (Hey!!)
晴れゆく名シーン (Hey!!)
すべてハイライトさ iCONiC
Life is dramatic
All I need is you
歌詞意味解釈
【イントロダクション】不調な朝のリアル
「ドンヨリ沈んだ天気 / 今日の運勢は Last place」というオープニングは、誰にでもある「何もかもうまくいかない日」のリアルを描く。袖に染みついたコーヒー、窓の外に浮かぶ雨。「ツいてない日だって / Guess that happens a lot」という英語のフレーズは、そうした不調を「よくあること」として受け流す余裕を見せる。ここから楽曲は、ネガティブな状況をポジティブに転換する旅を始める。
【Aメロ】魔法のような相乗効果
「どんなハプニングも Turn into magic」というフレーズは、楽曲の核心的メッセージを凝縮している。一人ではただの不幸な出来事も、「ワタシたち一緒なら そこは Cinematic」——大切な人と一緒なら、どんな場面も映画のような特別なシーンに変わる。ここでの「Cinematic」という言葉は、単なる比喩ではなく、後に続く「ロードムービー」「カット」「シナリオ」「アドリブ」などと連なり、楽曲全体を貫く映画のメタファーの起点となる。
「気分でスニーカー / 泥だらけでもヒロインさ」という歌詞は、気分次第でスニーカーを履いて出かけ、泥だらけになっても自分がヒロインであることを誇りに思う、自立した女性像を描く。従来の「汚れない・傷つかない」というヒロイン像とは対照的に、泥だらけになっても輝く姿を肯定する、現代的なメッセージが込められている。「降り頻るシャワー Jewelry」という表現も、雨を宝石のように美しく見せる言語感覚が光る。
【Bメロ】演技と本当の自分
「三文芝居なんて、そりゃ演技でもないね」という一節は興味深い。「三文芝居」は安っぽい演技を意味するが、「そりゃ演技でもないね」と否定することで、自分たちの生き方は安っぽい演技ではない、つまり「本物」であることを示唆する。そして「目に見える景色は変えられる / You already know」——あなたはもう知っている、自分の目で見る世界は自分で変えられるということを。
【サビ①】主役の自覚
サビの「Shining!! 主役はいつだってキミだよ」は、聴く者一人ひとりに向けられた直接的なメッセージである。人生という舞台の主役は常に「あなた」自身であり、誰かの脇役として生きる必要はない。「Dancing!! 華麗に舞い踊って魅せましょう」は、その主役として堂々と生きることを促す。
「カットはできない (Hey!!) / 人生はロードムービー (Hey!!)」というフレーズは、映画のメタファーを最も鮮明に表現している。ロードムービーは、目的地より旅そのものが主役となる映画ジャンル。人生もまた、やり直し(カット)が効かない一続きの旅路であり、その一瞬一瞬が「無敵の iCONiC」——かけがえのない象徴的な瞬間なのだ。「Let it glow」という繰り返しは、内側から輝くことを許可する呪文のような響きを持つ。
「Charming!! とびきりキュートな魔法で / Stunning!! ココロだって奪っちゃえばいいの」は、可愛さや魅力を「武器」として肯定的に捉える表現。自分の魅力を隠すのではなく、それで人の心を奪ってもいいのだ、という大胆なメッセージが込められている。「瞬き厳禁 (Hey!!) / 晴れゆく名シーン (Hey!!)」は、目を離せない、人生の名場面がここから始まるという期待感を演出する。
【第二Aメロ】限界の超克
「軒並み超えてく限界値 / (Beauty Beauty Beauty)」——限界値を次々と超えていく姿を、美しさとして謳う。「ほらみて ガーリーパワー全開 / (Cutie Cutie Cutie)」は、女性の力を前面に出すガーリーパワーの肯定。そして「脚色されたシナリオはいらないわ / 予定にないアクシデントも着こなしたい」——誰かが書いた脚本通りの人生ではなく、予定外のアクシデントすら自分のものにしてしまう、そんな生き方への憧れが表現されている。
「ファンタジー ドラマ ドキュメンタリー / ロマンス ラブコメ ミステリー」という映画ジャンルの羅列は、人生が一つのジャンルに限定されない多様性を示す。そして「薔薇色アナログ世代 / ごらん 普段も現実的」——夢見がちな一面がありながらも、普段は現実的であるという、理想と現実のバランスを保つ姿勢が描かれる。
【第二Bメロ】即興の美学
「時間だって置き去っていくの / アドリブだらけで次のステップへ」——時間を置き去りにして、即興(アドリブ)だらけで次のステップへ進む。ここでも映画のメタファーが続く。脚本通りではない、予測不能な人生の展開を恐れず、むしろ楽しむ姿勢が表現されている。「三文芝居でも 伝わるものはあるよね? / もうメドレーは Never stop」——完璧でなくても、心から発せれば伝わるものがある。そして人生のメドレー(連続)は止まらない。
【Cメロ】宿命と磁場
「毎日の巡り合わせ One take / No need to explain 不可逆的」——毎日の出会いは一発撮り(One take)で、説明不要の不可逆的なもの。ここでも映画のメタファーが使われる。「Flash back いつかの Daybreak / 宿命手繰り寄せて Magnetic」——過去の夜明けを回想しながら、宿命を手繰り寄せるように、磁場(Magnetic)に引き寄せられるように人生が動いていく様子が詩的に描かれる。そして「お揃いの気持ちなら大丈夫さ / Always keep smiling and move on」——二人(あるいは仲間たち)が同じ気持ちを共有していれば、どんな困難も乗り越えられるという、絆のメッセージで繋がる。
【アウトロ】人生というドラマ
最後に「Life is dramatic / All I need is you」——人生は劇的なものであり、必要なのは「あなた」だけ。これは恋人への告白であると同時に、仲間への感謝の言葉でもある。音乃瀬奏と一条莉々華の二人のハーモニーが、このシンプルながら力強いメッセージに深みを与えて楽曲を締めくくる。
まとめ
「iCONiC」は、一見するとポップで可愛らしいアイドルソングに見えるが、歌詞の奥には「人生という映画の主役はあなた自身である」という、力強い自己肯定のメッセージが込められている。OHTORAとNew Kによる、R&BやCity Popの要素を織り交ぜたスタイリッシュなサウンドに乗せて、音乃瀬奏の伸びやかな歌声と一条莉々華の力強いラップ/歌唱が見事に融合している。
映画のメタファー(ロードムービー、カット、シナリオ、アドリブ、One takeなど)を通じて、人生の予測不能さを恐れず、むしろ自分自身の物語として楽しもうという姿勢が一貫して表現されている。特に「主役はいつだってキミだよ」というフレーズは、VTuberファンにとっては推しへの応援メッセージとして、そして一般の聴く者にとっては自分自身への励ましとして、多層的に響いてくる。
音乃瀬奏の「韓国育ちの音楽家の卵」という背景と、一条莉々華の「新進気鋭の女社長」というキャラクターの対比が、楽曲の「個性の違いを肯定する」メッセージと見事に重なり合う点も見逃せない。2026年8月の「ハニワの日24時間生放送」でのMV公開を皮切りに、今後のライブパフォーマンスでもどのようにこの世界観が表現されていくのか、大いに期待が高まる一曲である。
「カットはできない」人生だからこそ、一瞬一瞬を「ハイライト」として輝かせよう。「iCONiC」は、そんな生き方への愛あふれる応援歌なのだ。