2025年12月23日、『アークナイツ』6周年を記念して配信された「今日をしるして」は、人気キャラクター・アーミヤ(CV:黒沢ともよ)が歌うオリジナル楽曲です。作詞・作曲を手掛けたのは、アオワイファイ。戦火の大地を舞台に、少女が“今”という瞬間をどう生き、どう記すのか――その問いかけを、透明なピアノと爆音の弦楽が対比するサウンドで描き出します。MV公開と同時に各配信サイトで1位を奪取するなど、ゲームファンだけでなく音楽リスナーの心も鷲づかみにしました。

歌詞
眠る声を ただ聞いていた
守りたい 守れない
か弱き吐息よ
轟雷は止まずに
貴方を襲うだろう
今はただ目を覚ますその時を
待ってた
日々のなかで 感情を知った
渦巻いて こみ上げて
息もできないほど
独りにしたくなくて
けれど伝わらなくて
もう治せない傷の前で無力だ
ねえ。
幸せとは奪い合うものですか
震えた剣は 迷いなのか怒りか
何もかもを
許せはしないけれど
信じあえると願うの
ほら
今日を明日へ
誰も欠けないように
(先へ 先へ)
力となろう
生きて帰ることを
"奇跡"と言わせないように
(前へ 前へ)
ひとつひとつ 歩んで行こう
忘れるものか 一度だって
もう少し あと少し
届きそうな背中
同じ生きるものとして
何も変わらないのに
ただ微か 苦しみゆく
儚い声
ねえ。
瞳の奥 光が差しますか
過去を求めますか
未来を見つめますか
きっと誰しも涙を重ねている
同じように私も
ほら
明日は今日から
答えの視えない空の
(先へ 先へ)
標となろう
繋ぎ合うこの手を
"記憶"と呼ばせないように
(前へ 前へ)
ひとつひとつ 歩んで行こう
解けぬ糸を運命というのなら
抗う希望を 託された分まで
物語の結びをこの手で描く
今日を しるし続けて
ずっと願うよ
砂漠に芽生える花を
この大地で
この手は痛みじゃなく
愛を育むものと
信じあえるその日まで
ほら
今日を明日へ
誰も欠けないように
(先へ 先へ)
力となろう
生きて帰ることを
"奇跡"と言わせないように
(前へ 前へ)
ひとつひとつ 歩んで行こう
歌詞意味
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「眠る声」=失われる命の先に
“守りたい”想いと“守れない”現実が交差する開幕。交錯する感情を“か弱き吐息”と託し、戦場にいる自分の無力を噛みしめます。
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「幸せとは奪い合うものですか」
剣を握る理由への問い。敵と味方、どちらも“生きるもの”であるなら、争いそのものが正当化できるのか。迷いと怒りの狭間で、少女は“信じあえる”未来を願います。 -
「“奇跡”と言わせないように」
生還を運命に委ねるのではなく、日常として取り戻す決意。ここで“今日”はただの日付ではなく、仲間と共に刻む“証”へと変貌します。 -
「砂漠に芽生える花」
荒廃の大地でも生命は芽吹く――絶望に対する希望的メタファー。最後の“愛を育むものと信じあえるその日まで”で、記す行為=育む行為という新たな定義が完成します。
まとめ
「今日をしるして」は、単なる周年ソングではありません。それはアーミヤというキャラクターの内面史であり、同時に私たちリスナーの“今”を問い直す鏡でもあります。戦争という極限状態だからこそ浮かび上がる“生きている実感”を、黒沢ともよの繊細かつ力強い声が届けます。轟雷が止むことはないかもしれない。でもだからこそ、私たちは“ひとつひとつ”歩を進め、誰も欠けない明日を自分の手で記していく――そのメッセージが、静かなピアノの余響と共に胸に残るのです。